使えば使うほどはまるsmc PENTAX-DA 55-300mmF4-5.8EDの味
お久しぶりです。
嗚呼、カメラ殿 第十二回。
今回はPENTAXのAPS-C向けレンズ「smc PENTAX-DA 55-300mmF4-5.8ED」を紹介させていただきます。
このレンズ、最近私の中で一番熱いレンズかもしれません。
使用したカメラはK-1 Mark II相当の機能を持つ、アップグレード済みのK-1。こちらはフルサイズのカメラになりますので、本日掲載させていただく写真は全て、APS-Cサイズで撮影できるクロップモードを使用して撮影しております。
smc PENTAX-DA 55-300mmF4-5.8ED
smc PENTAX-DA 55-300mmF4-5.8EDは、新しいレンズとは言えません。以下の公式ページを見ていただいてわかるとおり、スペックも際立つものではありません。
さらに「評判の良い後継」がもうだいぶ前に発売されておりますので、現代における注目度はそこまで高くないレンズと言えるでしょう。
ただ実際に使ってみると、これがなかなかに良いレンズなんです。
フルサイズ換算84.5~460mmという幅広さは、かなり使いやすく。今年の1月1日はレンズを数本持ち岡山の方へ遊びに行っていたのですが、一番使ったのがこのレンズでした。
色々なシチュエーションで使用しましたが甘さを感じる場面は少なく、気持ちの良い写りを見せてくれました。
使い勝手もなかなか悪くなく、軽量でズームすると「よく伸びる」仕様はsmc PENATX-FA 80-320 F4.5-5.6を思い出させます。レンズの作りも、写りの傾向も全然違うのですが、なんか同じような雰囲気を感じるのです。
程よい「手で操作している」という感覚が、気分を盛り上げてくれるあの感じ……と言えば伝わりますでしょうか?
今回撮影に使用したK-1は、重量もそれなりにありグリップがとても持ちやすいので、レンズを長く伸ばしてもよく安定していましたね。おかげで構図の試行錯誤は非常にやりやすかったです。
細かい明暗もしっかりと。
今回はカメラの設定の方で絵作りを楽しんでいたところもあるのですが、そうした要望にもsmc PENTAX-DA 55-300mmF4-5.8EDはしっかりとついてきてくれました。さすがEDガラスを使った、デジタル時代のレンズ。古いレンズと言っても、性能に不安を感じる場面は意外と少ないように思います。
もちろん、最新の高性能レンズと比べると負けてしまうところはいくつかあるとお思いますが。
ただ軽量で取り回しもよく、縮めてしまえばそこそこ小さくなるという性質と合わせてみれば、充分と言えるのではないでしょうか。
このレンズの素敵なところは、そうした「安定した性能」だけではありません。
それは「味」
なんだかこのレンズ、繰り返して味わいたくなるような独特の味があるんです。
味と言っても、オールドレンズと呼ばれるフィルム時代のマニュアルレンズによくあるような「極端にわかりやすい味」ではないのですが……なんか「ある」気がするんですねこのレンズには。
「繊細さ」と言ってしまうと言葉足らずな気がするような、この味。
水や砂地を小気味よく撮影してくれたかと思いきや、ダイナミックな被写体でも感じるこの味。
いろいろな場面で、このレンズの味を感じます。何枚か見ていると、このレンズの味は「線」にあるような気がしてきますね。だからこそ「よく写る」範囲の中で、雰囲気がある……のかもしれません。
さらに逆光にもある程度耐えてくれて。
四角く切り取っても良し。
使えば使うほど、このレンズはいいぞ!となっていきますね。
丸一日使った後、使う前よりもずっとこのレンズが好きになっているんですよ。そして帰宅して写真をモニターで確認するとさらに……。
なんかこのレンズは「普通によく写るズーム」から一歩踏み込んだところに描写があるというか……なかなか言葉に…………できませんね……。
もっともっと使い込んで、これからもこのレンズの魅力を掘り下げていきたいと思います。