私にとっての良いレンズ。smc PENATX-FA 80-320 F4.5-5.6のくれる楽しさ
信頼の置けるレンズだと感じた時の理由は様々あるものなのだなと、最近よく思います。
本日紹介させていただくレンズも、私が絶大な信頼をおいているレンズなのですが……決して描写が突出していたりするわけではありません。
多分きっと、相性が良い。そういうレンズなんです。
嗚呼、カメラ殿 第七回はsmc PENTAX-FA 80-320 F4.5-5.6を紹介させていただきます。
smc PENTAX-FA 80-320 F4.5-5.6
80mmから320mm。四倍ズームであるsmc PENTAX-FA 80-320 F4.5-5.6は、PENTAXのフィルム時代のレンズです。
FAレンズなので極端に古いというわけではありませんが、最近のレンズとは言えない製品でしょう。
高性能ラインのレンズであるわけではない、言い方を変えればごく普通の望遠レンズですので、特筆スべき部分はそう多くないのかもしれません。
ただ何故かこのレンズ妙に信頼できるんです。何故こんなにも信頼できるのか?と、色々と考えてみたのですが明確な答えは出ないのがまた不思議なのですが……。
軽くてそれなりに写るから……ズームリングを伸ばすと結構長くなるのが面白いから……と、いろいろと理由は出てくるには出てくるのですが、どれも「これだ!」とはなりません。
きっとこのレンズと私は、最初にお話したとおりなんとなく「相性が良い」のでしょう。
同じくFAシリーズのズームレンズsmc PENTAX-FA 28-105mmF3.2-4.5AL[IF]も、なんか相性良く感じて楽しく撮影できましたので、私はこの頃のズームレンズがなんか好きなのかもしれませんね。
このレンズならではの「好きポイント」をもう一つ上げるとしたら、よくある300mmよりやや長い320mmという特徴があります。実際に「これが20mmの違いか!」と思う場面がそうそうあるわけではないのですが、こうした「普通とちょっと違う」というのは、レンズ集めが好きな身としては嬉しくなってしまいます。
そういえばさっき名前を出させていただいたsmc PENTAX-FA 28-105mmF3.2-4.5AL[IF]も、F3.5はじまりではなくF3.2はじまりとちょっと変わっていますね。320mmと、F3.2。この二つのレンズを一緒に持ち出し「私的ダブルズームキット」にしたくなるのは、もしかするとそういうところもあるのかもしれません。
さて、少し撮影の話をさせていただきましょう。
このレンズはフィルム時代のレンズですので、当然フルサイズデジタルで撮影できます。
ここから見ていただく作例も、PENTAXのフルサイズ機K-1及び、アップグレードサービスを受けたK-1改を使用したものとなります。
smc PENTAX-FA 80-320 F4.5-5.6はその軽量さと四倍ズームという特徴もあり、アクティブな使い方をすることが多いです。
80から320というレンジは、なかなか使いやすくレンズ交換をせずともいろいろな撮影に対応してくれます。
描写に関しては「このレンズはああで、こうで」と饒舌に語れる感じではありません。かと言って「こういうところがだめで」と指摘したいことも、特にありません。
極端に逆光に弱いわけでもなく、強いわけでもなく。解像感が高いわけでもなく、低いわけでもなく。一時代前のレンズだなと感じる製品です。
でも本当になぜか……このレンズで撮影すると、楽しく撮れるんですよね。
でもやっぱり「なにが良いのか?」と聞かれると言葉に詰まるんです。
もしかすると「良いレンズ」って、そういうものなのかもしれないなぁ……と思いつつ、私は今日もこのレンズをカバンに入れます。
そんな感じでちょうど良く私の都合に寄り添ってくれるのが、このレンズだったりするのです。
smc PENTAX-FA 80-320 F4.5-5.6。
このレンズを一言で形容するならば「楽しい」という言葉が合うのかもしれません。