色濃い描写のKマウント標準ズーム、PENTAX F Zoom 28-80mm f3.5-4.5(白文字)

2022年2月21日

一時期私は、標準ズームレンズ集めに夢中になっておりました。

そのきっかけとなったレンズが今回の主役「白文字」のPENTAX F Zoom 28-80mm f3.5-4.5です。

こちらのレンズ、結構色乗りもいいですし、フルサイズもカバーしてくれますので……いいですよ!

 

嗚呼、カメラ殿 第十四回どうぞよろしくお願いいたします。

PENTAX F Zoom 28-80mm f3.5-4.5(白文字)

ジャンクコーナーでふと目について気になった。

それが、このレンズとの出会いでした。

 

白文字のPENTAX F Zoom 28-80mm f3.5-4.5。

なぜわざわざ白文字というかと言うと、レンズ本体に描かれたスペックの表記がオレンジ色の製品が存在するからですね。

白文字もオレンジ文字も28-80mm f3.5-4.5とスペックは同じですが、オレンジ文字がPENTAX製、そして今回紹介させていただく白文字がPENTAXの子会社であるCOSMICAR(コスミカ)製となるのです。

 

このジャンクボックスの中で見つけ「何故かすごく惹かれた」レンズ、私にとっては大当たりでした。

色の強い、くっきりとした濃い描写。私はその力強い表現に「標準ズームって面白いよ」と教えられてしまったのです。

PENTAX F Zoom 28-80mm f3.5-4.5

なんだかこのレンズ、色といいデティールといいくっきり濃く出るんですよね。結構特徴的な写りのような気がします。

PENTAX F Zoom 28-80mm f3.5-4.5

椿なんかに向けると、厚みのある感じがよく表現されて素敵ですよ。

 

このレンズはそこそこ近づくことのできるレンズなのですが、近寄る時にはレンズをマクロモードに切り替える必要があります。その感触がまた好きで。

PENTAX F Zoom 28-80mm f3.5-4.5

そしてこの時代のズームレンズにありがちな、騒がしいオートフォーカス。

その声を聞く度に愛着が増し「ああ、やっぱりこのレンズは私を呼んでいたんだ」なんて思ってしまうのです。

PENTAX F Zoom 28-80mm f3.5-4.5

気がつけば、このレンズが防湿庫に二本。

持っているのをわかっていながら、また持ち帰ってきてしまいました。

 

少しこのレンズが私に教えてくれた「標準ズームレンズ集めの面白さ」について語らせてください。

 

中古カメラをよく見ている方ならご存知かと思いますが、この手の標準ズームは一部の製品を除いて非常に安価に流通しています。ジャンクコーナー常連レンズという製品も、多数あるでしょう。

ただ実際手にとって見ると、重量感、太さ、デザインと色々な違いを感じます。人に見せてみれば「当時はそういうデザイン多かったよね」とか「あのカメラとセットで売られていた」とか「入門レンズとなることも多かったであろう標準ズーム」ならではのお話を、聞かせていただけたりもします。

そう、標準なんですね。標準だからこそ標準ズームは面白い。

オールドレンズで言う50mm~55mmあたりの単焦点。これらの標準ズームは発売当初、そのような立ち位置にいたのではないでしょうか?

だからこそ、感じる歴史というかノスタルジックというか。

そして、実際使ってみるとそれぞれ写りに差がありそれもまた面白く。

 

そんな感じで標準ズームは、出会う可能性が高く入手機会が多い、しかも意外と製品による「差」があるから欲しくなってしまう……などなどで、なかなか「防湿庫のスペース食い」だったりします。

 

でも、いつでも簡単に手に入るわけではありません。

標準故に使い込まれた個体が多く、見つけたけど「状態が良くない」「フードがない」なんてざらです。

簡単にコレクションできそうで、意外とできない。そしてちょっと視野を広げると「マニュアル時代の標準ズーム」も現れたりして。

なんとも罪作りなジャンルだと思うのです。

 

本日紹介させていただきましたのは、そんな面白さを私に一撃で教えてくれたレンズでした。