PENTAX K-1改のクロップモードを駆使して金沢を楽しむ
私はカメラを始めとする撮影機材が大好きなので、旅行となるとあれやこれやとカバンに詰め込みついつい荷物を重たくしがちです。
今回は金沢へと遊びに行ったのですが……あえて、いつもとは趣向を変えてみたというお話です。
嗚呼、カメラ殿 第十回は、PENTAXのフルサイズデジタル機の「クロップ機能」を紹介させていただきます。
金沢出発前夜、機材構成の方向性を考える
私は金沢という土地は初めてですし、どう考えても良い景色に出会えそうなので出発前夜は機材をどうするかとても悩んでいました。と……こうした話はいつものことで「なんでも撮れるようにと画角を揃えようか」だとか「このレンズの雰囲気を持っていきたい」だとか「フィルムでも撮影したい」だとか……色々と悩むのはある種楽しい時間ではあるのですが、今回は思い切って機材を絞り込むことにしました。
カメラは一台。アップグレードサービスを受けてPENTAX K-1 Mark II相当の性能となった、通称K-1改。
レンズも一本。以下の記事「嗚呼、カメラ殿 第六回」にて紹介させていただいたsmc PENTAX-DA★55mmF1.4 SDMのみ。
我ながら思い切って減らしたものだと思います。
この二つを合わせて防塵防滴かつコンパクトにおさめ、カバンも一番小さな「一台+一本」しか入らないものに。随分と荷物の軽い旅支度となりました。カバンのスペースに余裕があると、出発朝にレンズを追加してしまいそうでしたし……。
そんな今回の旅のテーマは……
「クロップモードを駆使して金沢を楽しむ」
K-1時代から搭載されている、APS-Cモード、そして真四角の画像が撮影できるクロップ機能をトコトン使い込んでみようというコンセプトです。今回選択したレンズは、APS-C用ながらフルサイズでも使える製品(詳細は嗚呼、カメラ殿 第六回を御覧ください。)ですので、クロップを楽しむにはぴったりかと思いまして。
と……ここでもう一台カメラ追加を検討。
よくよく考えてみれば、今回は蟹をふるまってくれるホテルへの宿泊。食事をいただく環境によっては、一眼レフを出しづらいかもしれません。というわけで念のためのコンパクトカメラRICOH GRを追加……するかどうかは、明日まで悩むことにして早々に眠ることにしました。
では、おやすみなさい。
K-1改のクロップモードの面白さ
結局GRとK-1改二台体制で出発した旅。
予想通り、食事の類はGRで撮影しましたので今回の記事では割愛させていただきます。
食以外の場面では、ほぼクロップ使用の一本勝負。実際にやってみるとこれが結構楽しく、実に充実した撮影旅行となりました。
クロップした状態でK-1改のファインダーを覗くと、「実際に撮影される範囲の外」も見えた状態になります。
いつものフルサイズの視野に対し、クロップされる枠が表示されている状態ですね。(その様子は、以下のリコーイメージング公式にて公開されている動画が非常にわかりやすいので、以下に掲載させていただきます。)
クロップ枠は二種搭載。
上記動画にも登場する、約1536万画素相当となるAPS-Cモードと正方形の画像となります。
K-1自体有効画素数約3640万画素のセンサーを積んでいますので、クロップというセンサーの一部を使う撮影でもしっかり鑑賞できる画素数が保たれます。
モードの変更は、自動だけでなく手動で選択可能。つまりAPS-C用のレンズをフルサイズ枠で撮影したりという芸当も可能となります。
先程も話したとおり、クロップの枠はフルサイズの視野に対し表示される状態。
実際に写される範囲外が見えた状態での撮影になりますので、外を見ながら構図の調整ができるようになります。
例えばこちら。
この一枚は行きに乗った新幹線の中から撮影したものですが「枠の外」が見えているおかげで、速い速度で走行中というタイムリミット付きの撮影ながら、落ち着いて構図を決めることが出来ました。
動きのあるものを撮影する時に、この状態は本当に助けとなります。
真四角クロップは、絵作りの面でも実に面白く。
今回の旅行中は本当によく使いました。
クロップをしない状態、つまりフルサイズは「55mm」という焦点距離がとても使いやすく、観光地を歩いて撮るという今回の旅では大活躍。
やはり標準域のレンズは自然な撮影ができるなぁと、こちらも随分と使用しました。
ではAPS-Cモードはというと、こちらもなかなか便利。
ダイヤルを回すだけで即座にフルサイズ換算84.5mmが手に入りますので、散歩を楽しんでいる最中に出会った少し遠い被写体も楽しく撮影できました。
今回一番枚数を撮影した場所である兼六園では、踏み入っては行けないエリアや他の観光客さんの都合で狭く切り撮りたい場面も多数ありましたので、APS-Cモードがかなり有効に働いてくれたのが印象的でしたね。
後でトリミングという手もありますが、やはり現場で切り取れるかどうかは絵作りに与える影響が大きく違うようにも感じました。
もう一歩近づく機能としてAPS-Cモードを使うというのは、ズームレンズとはまた違った感覚で面白いです。
同じ被写体に対して、フルサイズ、APS-Cと切り替える撮影もなかなか楽しく。
というわけでこの日はフルサイズ、真四角、APS-Cと何度も何度も切り替えて撮影を楽しませていただいたのです。
ここまでクロップを駆使して撮影に挑戦したのは初めてでしたが、特に戸惑うこともなく集中できたのは、K-1の使いやすいダイヤル配置のおかげのように思います。
スマートファンクションを利用し、設定ダイヤルにクロップの切り替えを割り当てる。
これがあるかないかでは、撮影への没入感が大きく違うでしょう。
ファインダーを覗きながら切り替えができるというのは、やはり大きいですね。
撮影してきた写真をざっと振り返ってみると、使用頻度はなんだかんだフルサイズが一番多かったように思います。
次点で真四角。APS-Cが一番少ないという結果に。
きっとこの割合は、撮りに行く場所などによっても変わるのでしょう。
また場所やレンズを変えて、クロップを楽しんでみたいものですね。
レンズを複数持っている時にも上手く使いこなせるようになれば、撮影の幅が広がるようにも思いますので、これからがとても楽しみになりました。
そうした先へつながる経験という意味でも、今回はの旅は収穫が多かった気がします。
余談ですが、クロップモードを使っているとフィルム時代の「ハーフカメラ」を思い出しますね。
135フィルムを普通のカメラの「半分」使うことで、枚数多く撮影できるハーフカメラ。とてもお気に入りのカメラがありますのでそちらもそのうち、紹介させていただけたらなと思います。
それでは、本日も嗚呼、カメラ殿をお読みいただきありがとうございました。
金沢は本当に素敵な土地でしたね。またカメラを持って、遊びに行かせていただきたいと思います。